[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
目が覚めた時、寝ていたのは夜桜の総長室だった。
「昨日、あのあとどうなったんだっけ?」
殴られて気を失ったあとの記憶がほとんどない。
けど、一つ覚えているのはまた過ちを犯してしまったこと。
思い出して、涙が溢れてくる。
どうして、私は自分で自分の居場所を壊してしまうのだろうか……?
その答えを教えてくれる人など、いるはずもない。
「兄ちゃん……」
もういない兄のことを呼ぶ。
しばらくすると、ガチャリとドアの開く音が聞こえた。
私は頬を濡らしていた涙を拭った。
入ってきたのは、櫂だった。
「起きたのか。
……体、大丈夫か」
「だい……じょぶ……」
「ちょっと、様子見るついでに、起きてたら話があってきた。
夜桜の奴らに……青のことを話そうと思うんだ」
櫂は自分のすぐ近くにあるイスに座った。