[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
けど……。
「私は、大変なことをしでかしてしまった。
それでも……夜桜に……みんなのところにいていいの……?」
圭一は、何も言わずに私を抱きしめた。
圭一の腕は、いつもより温かく感じられた。
そして、この言葉を発した。
「当たり前だ。
もしまた、あの人格が出たときには、俺が必ず止めてやる。
そして……青と夜桜を護ってやる」
私の心を落ち着かせるには、その言葉だけで十分だった。
本当は弱いくせに……。
私は知ってる。
本当は圭一が弱いことを。
いつもは強がってるだけ。
兄ちゃんもそうだった。
皆、総長に一度なると弱くなってしまうんだ。
この瞬間、なんとなく。
本当になんとなくだけど、圭一と兄ちゃんが重なって見えた。