[改良版]小学生と暴走族【夜桜】
「ちょっとお姉さんと楽しいところ行こうか」
歩惟さんは私を抱えたまま出口へと向かう。
「まてコラ」
私を連れ去ろうとした歩惟さんの肩を圭一が掴んだ。
「きゃー。
へんたーい。
って圭一か」
「棒読みにも程があるぞ。
そしてお前、相変わらずだな」
「可愛いものを持ち帰って何がわるいんだ」
歩惟さんは私を強く抱きしめる。
どうでもいいから、とりあえずおろしてくれないかなぁ……。
いくらクーラーが効いてるとは言え、さすがに暑い。
「悪いが……」
私の体が歩惟さんから離れたかと思うと、今度は圭一の腕の中に収まった。
「こいつは俺の。
歩惟が持ち帰っていいものじゃねぇの」
……はいぃ?