永久に貴方を待っている
「奥様!?」
「ヤヨイっ、なぜここに……」
何事かと踏み入れたそのさきで、婦人は焦ったようにヤヨイを見つめた。
「貴方が、ヤヨイ様ですか。」
突然後ろから聞こえた男の声に、本能的に嫌なものを感じゆっくりと振り向いた。
きっちりとした身なりのその男はなかなかの二枚目である。
執事の証であるチョーカーを付けているところを見ると、どこぞの貴族の使いらしい。
「あなた一体奥様に何をっ!」
「ヤヨイ、下がっていなさい!」
主人と男の間に入ろうとしたヤヨイを、婦人は焦った声で引き留めた。
「……奥様。」
そのただならぬ空気に、一瞬だけ身を引くのが送れた。
せの、刹那。
「……なっ!?」
気付けば、ヤヨイは男に手首を捕まえられていた。