DEVIL`S ARMS
いつもの道をいつものようにいつものスピードで走っていた。

満たされるのはただこの瞬間だけ。



…!?



右側だけについた飾りのようなミラーの中に黒っぽい何かが映った気がした。

少し振り向いて見てみたがなにも見あたらない。
通勤途中であろう4、5台のクルマが見えるだけだ。

気にせずまた通学時間を楽しもうとグリップを握りなおした時にまた何かがミラーの中を通り過ぎる。

少し気にしていたせいか今度は少し輪郭が見えた。

気のせいかもしれないが黒い大きなマントのようなものを羽織った、人の形をしているような気がした。


…ありえないだろ。
バイクの後ろを横切るなら車道のすぐそばにいないと不可能なはず。
しかも浮いているように見えた。…
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