世界に1羽だけの鳥
羽が一枚
床に舞い落ちた。


インコの目は
完全に濁り、


体は
硬くなり
冷たくなっていった。



飼い主は
泣き叫んだ。


おじさんも
インコを抱きしめ
泣き続けた。



記者が
鳥の死を
全国に知らせた。



世界が落胆した。



あれほど美しい
鳥は二度と
生み出されないだろうと。




おじさんが
悲しみにくれる中、

不意に
声をかけられる。



「すみませんが…。」




新しい清掃員だった。
< 27 / 47 >

この作品をシェア

pagetop