世界に1羽だけの鳥
「俺の話。聞いてください。」


そう言って、
ゆっくり話し始めた。


自分があまり
掃除が好きではない事。

ジョアンヌに
一目ぼれしたこと。

写真を
撮っていた事…。





そして、





ジョアンヌの
掃除中の様子を
話し始めた…。


「俺が掃除してるとき、確かにジョアンヌはつまんなそうでした。
それに、すごく大人しかったです。」

「…。」

「けど、いつも一定の場所から動こうとしなかったんです。」

「何?」

「おじさん。あなたの時はいつもジョアンヌはどこにいました?」

「どこって…机の上とかがほとんどだったかな…。」

「…。」


若い清掃員は
一歩前に進んだ。


「ジョアンヌ。いつも…いつも…いつも…あの窓のところにいたんですよ…。」

「窓…?」


さっきジョアンヌを
外から見たときに
いた場所だ。


「いつも…?」
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