世界に1羽だけの鳥
「そう。そして、いつも窓の外を見ているんです。」


おじさんは
思わず顔をしかめる。


「いつもって…毎日じゃないんだろ?」

「いえ。毎日です。見てください。」


彼のバックから
アルバムが差し出された。


「アルバム…?」


最初のページを開く。

そこには
インコちゃんの姿があった。

しかし、
こちらを
向いていない。


「インコちゃんか…。写真撮ってたってさっき言ってたもんな。」

「ええ。」

「でも、何でこっち向いてる写真を撮らなかったんだ?これは変だろ。」


彼は窓の方を見た。

つられておじさんも
窓に目をやる。


「…ジョアンヌは、一度もこっちを見てくれなかったんです。」
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