ヨロコビノウタ
青野一平
「結局なにがしたいんだよ!」
「友達が欲しいんだ」
「いい加減にしろ」
「どうもありがとうございましたー!」
どのくらいたったかな
携帯を開くと
もう1時間くらい
私はその場に座っていた
たまーに人が通って
少し立ち止まって
また歩き出して
最後は私だけの状態で
彼らは喋るのをやめた
鞄に大きな看板をしまい
さっきとは違う随分小さい声で
二人で少し話している
そして一人の男
「あのー
ありがとうございましたー!」
くしゃくしゃになった笑顔で
私に話しかけた