cafe au lait
書類の角を揃えて、左上に四十五度の傾斜をつけてホチキスをうつ。
それを分類ごとに、見易くファイリング。
「うーん!」
それを棚に並べ終わると、今度は帳簿を開く。
綺麗に並んだ数字の羅列を確認しながら、ファイリングした収支の伝票を見ながら書き写す。
「うーーんっ!?」
「うるさい」
「あっ、やっと気づいてくれた? 俺が悩んでることに」
そんなのとっくに気づいている。
ここは二十畳に満たない狭い工場だ。天井が高く大きな天窓もあり、圧迫感はない。
だけど、そこに事務机に書類棚。おまけに遥斗が作りかけの棚や机や椅子。それから、工具が置かれている。
そこで、うーん、と唸り声をあげられては気がつかない方がどうかしてる。