cafe au lait

「それでいい」


 遥斗は、私の口内を好き勝手に犯してエスプレッソの味を奪いとる。


 狭い車内で抱き合う。雨が窓ガラスを曇らせる。



 遥斗は、私に恋愛感情を抱いていない。



 でも、私は?



 論理的に考える。



 私は、圧倒的に不利だった。


 だって、こんな関係でも遥斗に抱かれる喜びを感じてる。


 拒絶したいのに、あと五分で就業開始時刻なのに、非論理的に私を邪魔してくる遥斗を受け入れてしまう。



「十和子は、今から一生俺だけのものでいろ」



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