cafe au lait
「……遥斗。私たち間違ってる」
椅子はギシギシギシギシと悲鳴をあげて、このままでは壊れてしまうくらいに鳴く。私のかわりに悲鳴をあげてくれているのかもしれない。
遥斗の手が、後頭部から首筋におりた。
「十和子は綺麗だ……髪も肌も身体も心も……」
遥斗の舌も、円を描くように首筋を滑り降りていく。
「綺麗なんかじゃない」
「俺しか知らない特別な体だ」
心が綺麗なら、今すぐこの工場を辞めて遥斗から離れている。
論理的に生きようとして、遥斗に従うため、自分自身を誤魔化す言い訳ばかり。