cafe au lait
「遥斗、いい加減にして!」
「ああ、そうだな。弱いものイジメみたいになってきた。
十和子、コイツお前に気があるんだよ。十和子は誰のことが好きなのかはっきり言ってやれよ。そうすれば終わるだろ?
それから、もうコイツの店には行くな」
「遥斗……」
怖い……遥斗はこんなこと言う人じゃないのに……
私が好きな遥斗は、もっと正々堂々としている。
「椅子が、一つ足りないとあの狭い店は大変なんだよ。早めに修理を終わらせて欲しい。
俺は、そう言いに来ただけだ……トーコさんごめんね」
胤くんの素敵なバリスタスタイルが、大量のおが屑だらけだ。
彼は、立ち上がり、煩わしそうに、それを手で払う。
いつものカウンター越しの穏やかな笑みで、彼は柔らかく微笑んだ。
「トーコさん。また明日の朝、ご来店お待ちしていますね」
泣きそうな瞳で柔らかく微笑んだ。