ヤンキー王子とラブレッスン②【完】
「五十嵐から、伝言頼まれた」


「……え?
五十嵐くん……から?
あたしに……伝言……?」


「うん。
だから、オレのこと、怖がらないで」


目の前の……タキシードを着た男の子は、あたしを怖がらせない配慮なのか、必要以上にニコニコしながら、話を続けた。


「今からすぐに……北東棟に来てほしいんだって」


「……え?
北東棟?」


「そう。
もうすぐ取り壊しの決まってる、洋館なんだけどね」


「…………」
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