ヤンキー王子とラブレッスン②【完】
「ラッキーだったよなぁ、ほんと」


「……?」


ほんの1メートルぐらいの距離で止まり、男はカギを1本、あたしの目の前にかざした。


「あれから、5分。
暇でさぁ。
カギを持つヤツ、じゃんけんし直したんだよね~」


少し小太り気味で、額に汗をかいた男は、うれしそうにあたしに近寄って……。


「これで、オレは、心優ちゃんとふたりっきり~♪
じゃんけんに勝って、ほんと、よかった~☆」


カギ穴にカギをさしこんだ。

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