アーティクル
第二話 ロンロンでパスタを
百貨店の地下に、龍龍(ロンロン)という、パスタ屋があった。
地下なのに全面ガラス張り、まるで、客が陳列されているかのようだ。
客も従業員も女性だらけのお店で、男性が一人で入るには、かなりの兵(つわもの)でなければならない。
そこのメニューのひとつ、牛筋煮込み入りカルボナーラ。
カルボナーラなのに、クリームっぽくなく、むしろチーズの味がする。
そのなかに放り込まれた、甘辛く煮込んだ牛筋の塊が、絶妙の触感を醸し出すのだ。
すらりと長い足を組んで、キリリとした雰囲気の倫子(りんこ)は、その肉塊をフォークで弄んで久しかった。
地下なのに全面ガラス張り、まるで、客が陳列されているかのようだ。
客も従業員も女性だらけのお店で、男性が一人で入るには、かなりの兵(つわもの)でなければならない。
そこのメニューのひとつ、牛筋煮込み入りカルボナーラ。
カルボナーラなのに、クリームっぽくなく、むしろチーズの味がする。
そのなかに放り込まれた、甘辛く煮込んだ牛筋の塊が、絶妙の触感を醸し出すのだ。
すらりと長い足を組んで、キリリとした雰囲気の倫子(りんこ)は、その肉塊をフォークで弄んで久しかった。