アーティクル
「ジェームスも何か頼んだら?」
「ああ、そうね。じゃ、えーと、リンコは何を食べたの?」

 倫子は冷めたカルボナーラを思い出して、不機嫌になった。
 勿論、ジェームスと一緒に食べたかったのは、言うまでもない。

「この食べた後のお皿から、勝手に想像なさいよ」

 ジェームスは想像オタクなのだ。
 一つの事を言えば、そこから、何倍もの世界を描ける。

 人を見れば、個人的な癖や、事細かな生活にまで、言及する。
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