アーティクル
 幼児用の転落防止カバーを装着した便座に腰掛け、律子は脂汗をかいた。

 ようやく、一息ついたところで立ち上がると、また、お腹が痛くなった。
 それを何度か繰り返しているうちに、便座から離れられなくなってしまった。

 アイスクリームを内緒で食べた以上、律子はお母さんに助けを求める訳にもいかなかった。

 叱られるのは嫌だ。

 全部出してしまおう。
 お腹の中を空っぽにしてしまおう。

 そう律子が決心するのに、時間は掛らなかった。
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