アーティクル
第四話 黄昏の館
 気のいいジェームスから、カルボナーラの臭いが消えない。
 全身ジャージ姿の倫子は、そんな彼と別れ、二階の調査を続けた。

「リンコ! ちょっと来てくれないか」
 一階の調査をしていたジェームスの声であった。


 倫子とジェームスは、倫子の叔母の頼みで、古い洋館の調査をしていた。
 倫子の叔母は、投資目的でこの洋館と土地を手に入れたのだが、なにやら、夜になると、人の気配がするというのだ。

 超常現象が特に苦手な倫子の叔母は、お金を弾むといった。

 この場合の、叔母の弾むという意味は、なかなかの金額を意味する。
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