アーティクル
 今は夜中の二時である。

 洋館の明かりを全部付け、倫子とジェームスは手分けして、見回りをしていたのだ。

 よくもまぁ、こんな大きな館に住む人間がいるものだ。
 小さな部分にまで装飾が張り巡らされた空間は、湯水のごとく金を使わなければ実現出来ない。

 自称、庶民派の倫子は、見るもの全てにブツクサ言いながら、廊下を歩いた。
< 26 / 62 >

この作品をシェア

pagetop