アーティクル
「リンコ、歯を磨いてくるよ。歯磨きセットは、いつも持ち歩いているんだ」

「ねぇ、ジェームス。二階から降りられるんじゃない?」

 なるほど、とジェームスは一人で頷いた。

「でしょう?」とリンコも、ジェームスの方を向いて頷いた。

「一階に入り口がなければ、二階しかないね」

 ジェームスは上を向いて、天井を指差した。

「お願いだからジェームス。顔を近づけないで。臭いから」

 倫子とジェームスは、勢い、そのまま二階へ上がって行った。

 ジェームスの歯磨きを差し置いて…。



第四話 『黄昏の館』

完結


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