アーティクル
「ねえ、貴方なら知っているでしょ? いつもそうやって、私の事を見ているんだから」

 ガラスのペンギンは、律子の方を向いていた。
 角度を変えると、くちばしが僅かに緩んでいるように見えた。

「何笑ってるのよ。私を馬鹿にしているのね」

 ペンギンは答えない。

「わかったわ。貴方がその気なら、律子にだって考えがあるんだから」

 そう言うと、律子は辺りを見回した。

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