アーティクル
 あれ、あんなところに、光がある!
 
 ボクは嬉しくなった。
 なぜなら、ずっと、ずっと、一人で暗闇を歩いていたから。

 女の子がいたよ。

「こんにちは」

「……」

「こんにちは。ボクはケンジ。君の名前は?」

「わたしは、リツコ」

「リッちゃん、て言うんだね。よろしくね」

「うん」

 少女の瞳を見たとき、気付いた。

 ボクは、同じぐらいの年の少女に、生まれて初めて、恋をしたんだ。




・。
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