アーティクル
「ねえ、もう考えたでしょう。誰がトイレの王様なの?」

 ダルメシアンは首を傾げるばかりで、答えられなかった。

「何よ、詰まんない」

 ツマンナイ。
 ツマンナイ。
 ツマンナイヨ。

 律子は一人で話すことに飽きてきた。

  そんな時、トイレの扉に貼り付けられたカレンダーが、どうしても律子の目に入った。

 あれ程、見たくは無かったものなのに、律子は赤ペンでマークされた日付を見てしまった。
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