スマイル〜本物の笑顔〜



キーンコーンカーンコーン




いつも通り、気がつくと1日が終わっている。




そこらへんの生徒のカバンの中には、教科書以外にも何かは入っているはず。



携帯、お弁当、美容セットなどなど・・・




私には無縁のものだ。



携帯なんか持っていても誰とも連絡なんかしない。



お弁当なんか自分で作っても美味しくない。




化粧なんかしたって、誰も私なんか見ない。



だったら何もいらない。



鞄は、手ぶらが嫌だから持っているただの飾り。




みんながゾロゾロ帰る中私だけがずっと席に座ってる。



私の席は窓際の1番前の席。


意外と好きなんだよね。



「じゃあね!心ちゃん!」


「バイバーイ」


教室を出て行く時にみんなが私に手を振る。



もちろん私は


「バイバーイ!また明日ね!」



「ばーかー!明日は休みだよ!」




こうしてみんなを笑わせる。



知ってるよ明日が休みだなんて。




計算だよ計算。



「あ、そっかー!」




と、ワザとボケて見るのも計算。




こうしないと、また軽蔑されるからね。




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