Blue Blue....and Blue
偶像を征服したかった俺に
偶像に恋した、シンゴ
おろかなのはどっちだろう
哀しいのはどちらだろう……
お盆を過ぎて、練習をしなくなった水泳部の連中
その姿で俺達を翻弄しなくなった、あのキレイなサカナ
虹色のプリズムを浴びて
誰よりもキレイに泳ぐ彼女を見られなくなった頃
俺はシンゴが告白をしたらしいと、風の便りに聞いた。
その告白がうまくいったのか
そうじゃなかったのかはよくわからないけれど
彼女の存在はまるで真夏に起きた蜃気楼のように、俺の心と記憶の中からゆっくりと消えていった。
夏が過ぎ
秋が過ぎ
冬が過ぎ
何度も何度も季節が流れて幾年かの年月が過ぎ
手のひらの砂が風に流れて消えていくように、記憶の中からカノジョが消えてなくなりそうになっていたとき
俺は………
渋谷の街の中で偶然にもカノジョを見つけた。