Blue Blue....and Blue
顔も知らなければ
名前を知らない彼女
そんな俺がどうしてカノジョを見つけられたのか、きっと不思議に思うだろう?
その理由はね…?
カノジョの背中だったんだ。
「ねぇ、見て!!桐谷慎!!!」
「はぁ~?何??」
「アレ、私が手がけた広告なんだよ!!
凄いでしょ~。」
「ふ~~~~ん。
ま、高宮の割には頑張ったんじゃない??」
「もう!!またそういうコトを言う!!」
顔はよくわからない。
声だってよく知らない。
だけど、あれだけ見つめていた背中を俺が忘れるはずがない。
真っ直ぐで
しなやかで
伸びやかな曲線を描く、美しい背骨
間違いない、アレはブルーちゃんだ。
幸せそうに微笑む、ブルーちゃん
俺はカノジョの顔を初めて間近でみて、こんなにカワイイ子だったんだと思い知る。
――ちょっと…、損したかも。
俺はフフッと笑ってゆっくりその場を後にする。