誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
気がつくと俺は神社のような場所に立っていた。

「ここはどこだ?」

そんな事を思いきょろきょろ当たりを見渡す。

すると向こうから小さな女の子が走ってくる。

そして見事といわんばかりに転ぶ。

「いったあああい!!」

女の子は泣きそうな声を上げる。

「ったく、蝶みてえな奴だな。」

そんな事を呟き俺は女の子に近づく。

「大丈夫か?」

「へ?あなたは誰?」

涙を浮かべた瞳でこちらを見つめる。

「俺は土方だ。お前の名は?」

「蝶って言うの。」

「え?」

蝶?

確かに良く見ると桃色の瞳をしていた。

「そうか。蝶って言うのか。何処は怪我はねえか?」

「大丈夫・・・・」

そういって少し我慢したように笑ってみせる。

俺はふわっとその少女を抱き寄せる。

「そうか。蝶は偉いな。」

「えへへ?」

少し照れたように微笑む。
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