誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
「あれ、左之助さん。」

俺が近づくと驚いた顔をして沙織がこちらを見つめる。

「よう。」

俺は緊張のせいかうまく言葉が出てこない。

「蝶をみなかった「?さっきまでここらへんに居たんだけど。」

そう言って沙織はきょろきょろとあたりを見渡す。

「さあな。それより沙織。」

「なあに?」

「俺と桜を見ねえか?」

するとすこし驚いた顔でこちらを見つめる。

そして嬉しそうに微笑む。

「うん。」

そして俺らはしばらく桜を見つめていた。


< 123 / 178 >

この作品をシェア

pagetop