誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
龍「沙織に呼ばれたからな。」

沖「沙織に?」

龍「ああ。まあ神通力を使ってだがな。」

一「なぜだ?」

龍「あいつは俺が傍にいるといつもよりも力を発揮できる。つまり、それくらい危険な状況だってことだ。」

土「くっそ!!」

俺は自分の無力さにこぶしを強く畳にたたきつける。

龍「落ちつけ土方。起こったことはもう変えられねえ。今は沙織の力を信じろ。」

土「ああ。」

そしてそのままほかのやつらは龍王に連れられて出て行った。

稽古をつけるらしい。

俺は後から行くといいこの場に残る。

外を見ると漆黒の闇に雨が降る。

「俺は、無力だな。」

自然と言葉が紡ぎ出る。

俺があぶねえ時は蝶は必死に助けてくれた。

だがあいつが死ぬかもしれねえっていうときに俺はなにもできない。

まるで俺の心を表すように雨が激しく振る。
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