誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
土「うるせえよ」

俺は安どのせいか力なく声を出す。

沙「こんなにみんなに心配してもらえて私は幸せね。」

蝶「当り前だよ!!だって沙織は大切な存在だもん!!」

原「ああ。だから少しは自分のことも大切にしてくれ。」

沙織は苦笑いをこぼしながらそっと蝶の頭を撫でた後原田の頬に触れる。

沙「多少の無理であなたたちの笑顔を守れるなら私はどんなことでもするわ。でも」

そして周りを見渡す。

沙「あなたたちのこんな顔はもう見たくないから程々にしておくわね。」

土「あたりめえだ。」

沙「蝶?」

蝶「なあに?」

沙「あなたも無理しすぎちゃだめよ。あなただって女の子なんだから。」

蝶「うん・・・・。」

そして沙織は原田に抱きかかえられたまま部屋にもどった。

俺らも自分の部屋にもどる。

土「ったく、いつまで泣いてやがんだよ。」

俺はそっと蝶の涙を拭う。

蝶「だって・・・」

泣いている蝶を見て安心してしまう。

土「ああ、生きててくれたんだな。」

俺の言葉に蝶は驚いた顔をする。
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