誠の紅桜に止まる蝶～土方目線～

「土方さん、おはようございます。今日はずいぶんと早起きですね。」

部屋に戻るとすでに蝶は起きていた。

「ああ。少し早く目覚めちまってな。稽古してきたところだ。」

「起こしてくれれば私も付き合ったのに。」

すこし残念そうな顔をする蝶。

「あんな気持ちよさそうに眠ってるお前を起こすわけにはいかねえよ。」

そう言って俺は微笑む。

そして机に向かい仕事を始める。

「相変わらず忙しそうですね。」

「ああ。少し急な用事がはいっちまってな。」

「急な用事ですか？」

きょとんとしながらこちらを見つめてくる。

「ああ、何よりも優先しなきゃいえけねえ用事がな。」

そう言って俺は筆をまた動かし始める。

すると蝶はそっと部屋から出ていく。

蝶の笑顔を見る。

俺にとってそれが最優先だからな。