誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
「よし、蝶でかけるぞ。」

「え、あ、はい。」

俺はそういい蝶の腕を引き屯所を出る。

「で、でも土方さんこれからどこへ!?」

「決まってんだろ。呉服屋へいく。」

「ご、呉服屋!?」

素っ頓狂な蝶の声があたりにこだます。

そして俺はいつもの呉服屋へと向かう。

「すまねえ。亭主はいるか?」

「へえ。土方様いつもご贔屓いただきありがとうございます。」

そうして綺麗な女性が向こうから出てくる。

「あら、土方様。そちらの愛らしいお嬢様は?」

お店のご主人は私のみてにっこりと微笑む。

「ああ。俺の妻だ。」

「え!!!つ、つ・・・ま!?」

私はあまりのことに口をぱくぱくとさせる。

「まあ、予定だけどな。一番俺が愛している女だ。」

そう言って土方さんはいたずらっぽく微笑む。

「ふふ。仲がつつまじいどすなあ。」

「それで、今日は急で悪いんだが、こいつに似合う着物をもらいてえんだが。」

「沢山ええ色の着物がちょうど入ったところなんどすよ。ちょっと待っててくださいね。」

奥に戻っていく。

すると俺の隣の蝶は顔を見事なくらい真っ赤に染めている。
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