誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
「どうした蝶。熱でもあるのか?」

「ひ、土方さんがあんなこというから////」

「ああ、一番愛してる女って言葉か?」

「は、はい・・・。」

「真実なんだから何も間違っちゃいねえだろ。」

そういうと口をぱくぱくとさせてやめる蝶。

そして少し俺の着物の袖をつかむ。

「あの・・・うれしかった・・・・です・・・」

蚊の鳴くような微かな声で紡がれた言葉。

そんな姿や声についつい微笑みが零れてしまう。

「お待たせしました。こんなのはどうでしょう?」

亭主は色とりどりの着物を持ってくる。

「ああ、この色がいいな。」

俺は一つの着物を手に取る。

裾もとが淡い紫で胸元に上がるにつれて桃色に色づく着物。

毬や桜、蝶をあしらった着物だ。

「これなんかどうだ?」

俺が手にした着物を目を星のように輝かせて見つめる蝶。

どうやら気に入ったみたいだ。

「よし。すまねえがこれをもらえるか?」

「わかりました。せっかくですから着替えますか?」

「ああ。」

俺は蝶の答えも聞かづにこたえる。
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