誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
空を眺めていると着替え終わった蝶が出てきた。

「あの。どうでしょうか・・・?」

思った通りよく似合う。

「ああ。綺麗だ。」

まるで、秋に咲く桜のようだった。

「ふふ。こんな愛らしい御嬢さんにきて貰えて着物も幸せどすな。」

「ああ。そうだな。」

そして俺らはそのまま歩き始める。

「あの、土方さん。ありがとうございます。」

「気に入ったか?」

「はい!」

花が綻ぶような笑顔。

久しぶりに蝶と過ごす時間だ。

「これからは新八たちの着物はきるんじゃねえぞ?」

「え?」

「お前は俺が贈った着物を見ておれを思い出してればいいんだよ。」

「土方さん・・・・嫉妬ですか?」

蝶は少し楽しそうに微笑む。

「ああ。そうかもしれねえな。」

素直に今日は口にしてみた。

「素直なんですね。でも、せっかくいただいたお着物ですから、時々は袖を通さなければ沖田さんたちに申し訳ないです。」

「仕方がねえな。だが時々だぞ?」

「ふふ。はい。」

楽しそうに笑ながら頷く。

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