誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
「さあ、ついたぞ。」

俺は歩みを止める。

すると蝶はきょとんとする。

「ここは何処ですか土方さん?」

こいつは身長が小さいから風景に気が付かないらしい。

俺は苦笑いで蝶を持ち上げる。

「きゃっ!ひ、土方さん!?」

「上を見てみろ。」

「へ!?上・・・・?うわあ!!」

嬉しそうな声が響き渡る。

ここは俺の秘密の場所だ。

春には桜が咲き乱れ、秋には美しい紅葉が眺められる。

俺は蝶をそっと降ろす。

すると嬉しそうに蝶は駆け出す。

「土方さん!!綺麗ですね!!」

「ああ。」

楽しそうにはしゃいでいる蝶を木に持たれながら見つめる。

すると蝶がこちらに走ってくる。

「土方さん。」

「どうした?」

「忙しい中、私をここに連れ着てて、そのうえ着物までありがとうございます。」

「お前が喜ぶならこんなのどうってことねえよ。」

すると蝶は俺の手をそっと握る。
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