誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
私は土方さんと言い争った沙織を追いかけてきた。

どこにいるかわからず一生懸命探していると

沙織は庭に一人ぽつんと佇み月を見上げていた。

「沙織?」

「蝶・・・・」

だけど沙織はまた月に視線を戻す。

「ねえ、私が言っていることはおかしいわよね?」

唐突に沙織がことばを発する。

「え?」

あまりのことに言葉が出てこなかった。

「わかっているの。私が言っていることはおかしいって。みんなからしたら夢物語でしかないって。」

歌うように言葉を紡ぐ。

「だけど、だけどね?守れる命を守りたいと思うことはおかしいことかしら?」

「え?」

「蝶は総司を助けたんだよね?」

「うん。」

「その時、どう思って助けた?」

唐突な質問に私はうろたえる。

「え?えっと、助けたいって。私にとっても沖田さんは大切な仲間だし、大切な人の大切な仲間を救いたいなって思って助けたかな。」

すると沙織はゆるりとこちらを見て微笑む。
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