誠の紅桜に止まる蝶～土方目線～

そして俺らは一日すれ違いの生活を送った。

いや、俺が蝶を避けていた。

またあったらあいつを傷つけちまいかねねえからだ。

そして夜になる。

俺は蝶が風呂の間に布団に入る。

そして蝶がそっと部屋に入って来る。

もうすぐ明日に変わる時刻だ。

俺は眠っているふりをする。

すると蝶は俺の前にちょこんと座る。

しばらく無言が続く。

するとぽつんと蝶がつぶやきだす。

「土方さん、怒らせちゃってごめんなさい。」

声色だけで泣きそうだということがわかる。

「だけど、一番初めにお祝い言いたかったなあ。」

そして少し出していた手に冷たい雫が伝う。

俺が目を開けると涙をこぼしながら驚いた瞳をしている蝶と目があった。

「ひ、土方さん！！」

「なあに泣いてや感田よ。」

そして俺は起き上がり蝶の涙を拭う。

「だ、だって土方さんずっと怒ってるから・・・・」

そしてまた泣きそうな顔になる。