誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
俺は蝶を自分の膝の上に乗せる。

「別に怒ってるわけじゃねえよ。」

「え?」

「まあ、なんというか嫉妬みたいなもんだよ。」

照れくさくて少し早口になる。

「嫉妬?」

「ああ。お前が俺になんか隠してるみたいだったからな。」

「あっ!!」

すると蝶は俺の着物の裾を掴む。

「土方さん!!」

「どうした?」

「お誕生日おめでとうございます!!!」

まだ少し涙が残る瞳で微笑みながらつぶやく。

「え?」

「今日は土方さんのお誕生日ですよ?だから、一番初めに伝えたかったんですよ。」

ああ、今日5月5日は俺の誕生日だったか。

「忘れてたよ。」

「ふふ。やっぱり。」

「それでさっきの言葉だったのか。」

「え、土方さんもしかして聞いてたんですか!?」

「ああ。」

そして俺はぎゅっと蝶を抱きしめる。

「ありがとうな。蝶。」

すると蝶は嬉しそうに、だけど少し恥ずかしそうに頬を染める。
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