誠の紅桜に止まる蝶~土方目線~
だけど、こんなにも愛おしい人に祝われる誕生日が幸せなものだとは知らなかった。

「まあな。」

すると蝶はそっと俺の側に縁ってきて手を握る。

「蝶?」

「土方さん。」

「なんだ?」

「生まれてきてくれて、ありがとうございます!!あなたと出会えて私は世界一の幸せ者です。」

花が綻ぶような笑顔でそう告げてきた。

俺はぐいっと蝶を抱き寄せて肩に顔をうずめる。

「ったく、お前には本当に敵わねえよ・・・・」

「土方さん?」

俺には剣を振るい、この新撰組を支える以外の人生はないとおもっていた。

だけど

蝶と出会い過ごすうちに新撰組を十分見届けてからこいつと余生を過ごしていきたいと思えるようになってきた。

そう思えるのもすべてこいつのおかげだ。

「ありがとうな。」

「はい!!」

そして俺らは夜が明けるまで二人で語り合っていた。
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