ハスキーボイスで酔わせて
「…」
「…」
沈黙が流れる車内の空気。
ーー怒ってんのかなぁ、彩。
運転しながら横目で彩をチラリ。
窓の外の景色に見とれているのか、
はたまた俺と話をしたくないのか、ずっと黙り込んだままだ。
迎えに行くために早めに旅館を出たのがマズかったかな、こりゃ…。
せっかくの旅行がこのままでは最悪な思い出に変わってしまう。
「あ、何か腹減らない?もう昼過ぎてるしどっかで飯食おうか」
とりあえず今の空気から何とか打破しなければ!と、半ば強引に提案する俺。