ANOTHER
こんな所に女の子がいたら目立つのだが、
真歩はちゃんと人のいない時間をわかっているのだ。
真歩は鞄からタバコを取り出して火をつけた。
ゆっくりと大きく煙を吸い込んで
空を見上げる。
鳥が飛んでる。
私も飛びたい。
なんてことをふと考えたりもする。
そして、もう一度大きくタバコの煙を吸い込んだ時、
「おい、サボりか」
急な声に驚いて、勢いよく振り返ると
知らない男が立っていた。
誰だこいつ。
真歩はそう思いながらも何も言葉が出ず、そいつから目が離せなかった。
「聞いてるか」