なつものがたり
ハタチの夏休み。
なんだかワクワクが収まらなくて、
当たり前のように定期テストは酷い出来なことが予測できる。
でも、このワクワク感が何より大事で
でも、実際、なんの予定もない!
「いでよ!あたしの青春!!!!」
叫んではみるものの
現れるわけもない。
「アホか。」
と、親友 希鷹(kiou) に馬鹿にされるだけ。
「いいよねーいいよ。君は!
可愛いボインな彼女とリア充夏休みですか?
そうですか。あーあーあー。
あたしにも幸せ分けろってーの!!」
「果歩とも遊びに行ってやるって。
合コンでもすっか?
それとも紹介派?」
「だから、毎度言ってるけど
あたしはビビっと来るのがいいの!
恋愛したいっす!みたいなのはヤーなーの~!
わかる?この微妙な乙女心。」
「へいへい。
じゃ、また連絡するから
いい夏休みを!」
「このリア充やろーが!
絶対邪魔しに行ってやる!
じゃっ!!!!」
大学から駅までの道の短さがうらめしい。
大好きな人の背中が反対側のホームへと吸い込まれていくのを見送るとともに
ハタチの夏休みが始まった。