なつものがたり
「やっと、元気んなってきた。
ほんっと私服だと男極めてんな~!」
「へいへい。どーせ」
「で、また失恋番長してんの?」
「はぁ?!」
静かな深夜の公園に響く私の声。
なんだ、こいつ!!!!!!!!
いい奴って思ったのが間違いだった!
失恋番長ってネーミングがなんか嫌だ!くそっ!
「泣いてるっぽいし、、格好はイケメンだけど、顔が前会った時より女の子って感じ」
へーぇ。
あたしに女の子の顔なんかあるんだ。
「春てさ、どれが本物なの?」
「え?」
「真面目だったり、クソ馬鹿だったり」
「えー、ぜんぶ?」
堂々と言い放つ春が少し羨ましい。
そんでもって、悔しいけどなんとなく元気になったのも事実だった。
「ありがとう。」
「ん?おう。」