なつものがたり
「果歩の考えること、大体わかるし。」
俺の、最大の強がり。
「嘘つき」
「うん、」
「汗びっしょりじゃん。」
「うん。誰かさんのせいで。」
安心して、気が抜けてきて、さっきの決意が揺らぐ。
このまま “親友” でいた方が、果歩は幸せなんじゃないかって。
「蒲田さん、は?」
「うーん、、別れた。」
「は?!」
果歩のことだから、自分のせいだ。とか謝るんだろうか。
でも、俺は二年前の夏とは違う。
「俺が、フったんだよ、」
「へ?!」
「…果歩は?」
彼氏、帰ったけどいいのかよ。
そこまでは、声に出せなかった。
「なにが?」
鈍感かっつーの。
「彼氏、
追わなくていいのか、」
“ 彼氏 ”というワードを出すことが嫌だ。
知りたくて、知りたくない。
果歩の返事。