なつものがたり
途端に、果歩の表情が百面相になる。
追うか、追わないか。
迷ってんの?
「なんで…彼氏…?」
いること、知ってるの?
ってか。
「祭り、行ったろ?
その時、さっきの奴と果歩が手を繋いでるの見たし。
最近…なんか。
昨日の電話とかも、なんか冷たいし?」
言ってて、恥ずかしくなる。
頬っぺたが、ブワッと熱くなるような、初めての感覚。
果歩を見上げると、
果歩が、真っ赤。
「希鷹の、バーッッッカ!!」
「え、またそれ?!!」
「うん。はーあ。」
なんだか、明るいため息をつく果歩にドキッとする。
可愛い、と純粋に感じてしまう。
果歩のこの笑顔を、
この笑顔を俺が作ってやりたい。
夏の夜空に、そう願った。
第四章 完結。