何気ない日々 -短編集-

「先生!」
「あら、どうしたの?」
この学校に私たちの入学と一緒に赴任してきた先生は若くて、可愛い。
学校でとても人気がある先生。

「先生、恋愛相談のってくれる?」
渡り廊下で先生に話しかける。

「好きな人の話?いいわよ。」
笑うと目尻にシワがよって八重歯が見える。
伸長が小さい先生は女子高生みたいにキャピキャピしてる。

でも、意外としっかりしている。

「好きな人には好きな人がいるんだけど、」
「あら、そうなの?あたしもねぇ、最近そうだったのよ」

わざと、あなたが渡り廊下を見ているときに先生に話しかけた。
少しでもあなたの目に写りたいから。
意識してほしいから。

「想い続ければ、恋は叶うのよ。」
そうやって笑う先生は綺麗だった。

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