君の知らない空
半年ほど経って学生生活にもアルバイトにもようやく慣れてきた頃、夏休みがやって来た。
家に居るよりもアルバイト先の方が涼しくていいからと、私はほとんど毎日働いていた。友人と遊ぶのは、専ら涼しくなった夕方からだった。
毎日働いていたもうひとつの理由は、
桂一に会いたかったから。
さすがに夏。
アイスクリーム屋は忙しい。
でも、バタバタしながらも充実していた。
バイト仲間と帰りに食事に行ったり、カラオケに行ったりするようにもなった。
その中には桂一もいた。
バイトでは見られない素の桂一に、私はますます惹かれていった。