君の知らない空

お盆を過ぎた8月のある日、
携帯電話が鳴った。


私はバイトが休みで予定もなく、家でゴロゴロして過ごしていた時のこと。


携帯電話の着信表示から桂一だと分かって、てっきりアルバイトのシフトの相談だと思っていた。


これまでにも桂一からは、シフトの交代や緊急の連絡があったから何も不思議なことではない。


でも、この日は違っていた。
声を聞いた途端に、彼の異変に気づいた。


あれ?
いつもと口調が違う?
何かあったのかな?


なんだか歯切れが悪く、なかなか本題を話し始めない。

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