君の知らない空
これは、まさか……
もしかしたら、これは……
自分の鼓動の音が聴こえてくるかと思うほど、どんどん大きくなっていく。
「え? い、いま……」
予想しなかった展開に適応出来ない私の唇はありえないほど震えて、思うように声が出せない。
声だけじゃない。
顔が、頭が、
沸騰したように熱い。
言い出そうとする言葉が頭の中で飛び交うばかりで、上手く言葉にすることが出来ない。
桂一は電話の向こう側で
黙って私の答えを待っている。